参考程度にお読み下さい
はじめに – 化膿性汗腺炎とビンゼレックス
ご挨拶
皆さん、こんにちは。「化膿性汗腺炎Wiki」へようこそ。
このサイトは、化膿性汗腺炎(Hidradenitis Suppurativa, HS、時に慢性膿皮症とも呼ばれます)と共に歩む患者さんや、そのご家族のための情報共有と交流の場です。運営は個人で行っており、まだまだ発展途上のサイトです。手探り状態の部分もありますが、TwitterやFacebook、note.comなども活用しながら、皆さんと一緒に少しずつ情報を集め、支え合えるコミュニティを育てていければ嬉しいです。
化膿性汗腺炎は、皮膚の下にある汗腺や毛穴(毛包)の周りで、体の免疫システムが過剰に反応してしまうことで、繰り返し炎症や膿がたまる慢性的な病気です。見た目の問題だけでなく、痛みや匂い、生活への支障など、多くの方が悩みを抱える、厄介な病気です。
この病気は、時に「難病」とも言われ、診断までに時間がかかったり、有効な治療法が見つかりにくかったりすることもあります。私たち「化膿性汗腺炎Wiki」では、そんな皆さんの孤独感を少しでも和らげ、前向きに病気と向き合えるような情報を提供していきたいと思っています。
今回は、化膿性汗腺炎に対する比較的新しい治療薬「ビメキズマブ(商品名:ビンゼレックス)」について、承認時の反響や、実際に使用されている患者さんの体験談(ツイート)をご紹介します。新しい治療法への期待や不安、実際の効果や副作用、費用など、リアルな声を通して、皆さんの治療選択の参考になれば幸いです。
ビンゼレックス(ビメキズマブ)とは? – 新しい選択肢
ビンゼレックス(一般名:ビメキズマブ)は、「生物学的製剤」と呼ばれる比較的新しいタイプの注射薬です。生物学的製剤の中でも、特に炎症に関わる特定のサイトカイン(体内の情報伝達物質)である「IL-17A」と「IL-17F」の両方の働きを選択的に阻害する、ヒト化モノクローナル抗体製剤という種類のお薬になります。(少し専門的ですが、炎症の原因にピンポイントで働きかけるタイプのお薬、ということです。)これら2つのサイトカインの働きを抑えることで、化膿性汗腺炎のしつこい炎症や膿の発生を抑制する効果が期待されています。
これまで化膿性汗腺炎の生物学的製剤としては、主に「アダリムマブ(商品名:ヒュミラ)」が用いられてきました。ヒュミラは「TNFα」という別のサイトカインをターゲットにしていますが、ビンゼレックスはIL-17AとIL-17Fという異なるターゲットに作用します。そのため、ヒュミラで効果が見られなかった方や、新たな治療選択肢を求めている方にとって、希望となる可能性があります。
ただし、どんな薬にも言えることですが、効果や副作用には個人差があります。なお、ビンゼレックスは、日本では2024年9月24日に、中等症から重症の化膿性汗腺炎に対する適応追加の承認を取得しました1。比較的新しい治療選択肢であるため、長期的な情報や体験談はまだ十分ではありません。だからこそ、実際に使用している方々の生の声が、これから治療を考える方にとって非常に貴重な情報となります。
関連情報:IL-17阻害剤について詳しく知る
ビンゼレックスのようなIL-17の働きを抑える薬(IL-17阻害剤)について、もう少し詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。化膿性汗腺炎におけるIL-17の役割や、他のIL-17阻害剤についても触れています。
化膿性汗腺炎に効く新しい治療法!IL-17阻害剤とは? – 化膿性汗腺炎Wiki
この記事と併せて読むことで、ビンゼレックスの位置づけや作用について、より深く理解できるかもしれません。
ビンゼレックス承認と初期の反応:期待と懸念の声
2024年秋、化膿性汗腺炎に対するビンゼレックスの適応追加が承認されると、長年治療に苦慮してきた患者さんや関係者の間で注目が集まりました。新しい治療選択肢への期待と共に、費用や治療アクセスに関する様々な声が上がったのです。ここでは、承認前後の初期の反応を示すツイートをいくつかご紹介します。
新治療法登場のお知らせ
病気との戦い隊@bktkt01
やっと化膿性汗腺炎の新しい治療法として、「ビンゼレックス」という注射が出たらしいです。今まで長かった。(これは治験ではなく、保険適用内の治療です。)化膿性汗腺炎 #化膿性汗腺炎治療 #化膿性汗腺炎新しい治療
化膿性汗腺炎の新しい治療「ビンゼレックス」が出たらしいです。
【ヒュミラとの違い】
ビンゼレックス:主に皮膚や局所的な炎症を抑える(乾癬や化膿性汗腺炎に効果が高い)
ヒュミラ:全身的な炎症を抑える(リウマチや炎症性腸疾患にも適用)
化膿性汗腺炎と戦っている人へ化膿性汗腺炎治療法
解説・考察:
新薬承認のニュースは、患者さんにとって待ち望んだものであったことがうかがえます。「今まで長かった」という言葉には、その切実さが表れています。また、既存薬ヒュミラとの違いに早くも関心が寄せられていたことがわかります。
新薬への期待
アンソニー@anthony8021136
情報ありがとうございました🙇🏻♂️
化膿性汗腺炎に対する新薬、ビンゼレックス(一般名= ビメキズマブ)の登録が完了したようですね。
情報はまだ限られていますが、薬効を期待したいところですね。
(午前11:08 · 2024年2月14日)
解説・考察:
適応追加の申請段階から、新薬への期待感は高まっていました。まだ情報が少ない中でも、その効果に注目が集まっていた様子が伝わってきます。
費用への懸念
Y@kansenen1
ビンゼレックスでたらしいけども、やはり高い。
金銭面的に厳しい人はどうすれば…
一旦生活保護で回復させたらいいのか…
(午前10:48 · 2024年10月24日)
解説・考察:
新しい治療法への期待の一方で、高額な薬剤費に対する不安は大きいようです。「やはり高い」という言葉に実感がこもっています。経済的な理由で治療を受けられない可能性も示唆されており、医療費助成制度などの重要性が改めて浮き彫りになります。
治療アクセスへの懸念(地域差・医療機関差)
さっちも☆ふらんぼわーず@sacchies009
UCB ビンゼレックスで化膿性汗腺炎の適応追加を申請 https://mixonline.jp/Default.aspx?tabid=55&artid=75621
φ(..)前は去年まで東京の大学病院だったからヒュミラも適応になってすぐ使えたけど、今は田舎の公立病院で治療してるから新薬の導入時間かかるんだろうな…
(午後1:59 · 2024年2月14日)
解説・考察:
薬が承認されても、全ての医療機関ですぐに治療が受けられるわけではないという現実があります。特に地域や病院の種類によって、新薬導入のスピードに差が出ることへの懸念が示されています。早く使いたい気持ちと、もどかしさが伝わってきます。
初期の反応まとめ:
これらのツイートからは、ビンゼレックスの登場が化膿性汗腺炎患者さんにとって大きな出来事であったことが分かります。治療への強い期待と共に、費用やアクセスといった現実的な課題に対する不安も同時に存在していました。
ここからは、この記事の核心部分である、実際にビンゼレックスを使用された方々の貴重な体験談を詳しくご紹介します。
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