アクアチム(一般名:ナジフロキサシン)は、ニューキノロン系と呼ばれる抗菌薬の外用剤です。塗ることで皮膚表面の細菌が増殖するのを妨げ、殺菌する効果があります。皮膚感染症の原因菌である表皮ブドウ球菌やアクネ菌を殺菌・除去することができ、とびひ・おでき・ニキビなどの治療に用いられています。
Acne and Trauma, Infection of Mucosa(にきび・外傷・粘膜の感染症)の頭文字がアクアチムの名前の由来とされていますが、実際には粘膜に用いられることはあまりありません。
アクアチムは表皮ブドウ球菌やアクネ菌を含め、グラム陽性菌、陰性菌、嫌気性菌と幅広い菌種に対して強い抗菌力を発揮します。とびひやおできは表皮ブドウ球菌が原因となることが多く、治療の初期から完治するまでアクアチムなどの抗菌外用薬が用いられます。
ニキビの場合は毛穴のつまりを意味する「面皰(いわゆる白ニキビや黒ニキビ)」の状態と、そこにアクネ菌などの細菌が感染して炎症を起こした「炎症性皮疹(いわゆる赤ニキビ)」の状態があり、アクアチムは炎症性皮疹の治療において有効とされています。
日本皮膚科学会が発表している尋常性ざ瘡治療ガイドライン2017でも、ニキビの炎症性皮疹に対する外用抗菌薬の1つとしてアクアチムを強く推奨しています。